春めき始めにおススメの一冊

 まだまだ寒い日も続きますが、ちらほらと春の匂いもしていますね。
 今月もさまざまなジャンルの素敵な書籍をたくさんご紹介します。
 通勤・通学のお供に、寝る前のちょっとした一時に、お好きな時にどうぞ!

『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』
(岡村靖幸・著/マガジンハウス)

 あの岡村靖幸が結婚についていろんな人に聞きまくる対談集の第二弾。登場するのは芸能人、アーティスト、作家、漫画家など年齢性別職業バラバラの魅力的な方々。38人38様の結婚に対するスタンスの違いを楽しめます。なかでも柄本佑、和田唱、MEGUMIなど、有名な配偶者の顔まで浮かんでしまう人たちは、私生活をのぞき見する感覚が味わえて興味津々かも。幸せなら、きっとなんでもアリでいいよ! って勇気をもらえる一冊。

 

『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』
(上馬キリスト教会/講談社)

 タイトルに偽りなし! ゆるいです。文章もイラストも、そりゃもうゆるいです。でも聖書についてほぼ知識ゼロだった私には、ちょうどいい”ゆるパン”のような、ありがたいゆるさでした。なにせ、あの長くてややこしい内容がストレスフリーで頭に入ってくるんですから。著者いわく、本書は「聖書を楽しんで読む」ための本。「アーメン」の意味は今風に言えば「それな」、空腹時のイエス様は怖いなど、へっ? と驚く情報も満載です。

 

『らんちう』
(赤松利市・著/双葉社)

 ある旅館の経営者が殺されます。犯人は6人。全員が従業員でした。なぜ? 次第に真相が明らかになります。けれどもスッキリ感はありません。正直、後味は悪いです。ニュースで「自己責任」という言葉を聞いたときの、SNSで自己アピールに必死な投稿を見たときの、胸がざわざわ・モヤモヤする感じ。あれをお鍋で三日三晩煮詰めたような濃厚さです。ミステリーファンだけでなく、社会に閉塞感を感じている方にもおすすめです。

 

『名探偵コナン 九州地方の謎』
(原作/青山剛昌 まんが/阿部ゆたか まんが/丸伝次郎 シナリオ/平良隆久/小学館)

 学習まんがって懐かしい! そう思いながら読んだのですが、昔のものとは大違いでした・・・。まず情報量が多い! グラフや地図やコラムがてんこ盛り。そして幅も広い! 地理的な産業や気候などだけでなく、公害や沖縄問題、東アジアからみた九州など、さすが情報時代の子ども向けの学習まんがだな、と感心しました。コナンくんのまんがも読み応えあるし、九州の基礎知識を押さえておきたいなら便利な一冊。家族みんなで楽しめます!

 

『いい女、ふだんブッ散らかしており』
(阿川佐和子・著/中央公論新社)

 小柄でチャーミングな外見と飾らない言葉が魅力の阿川佐和子さん。その魅力が凝縮されたエッセーで普段の彼女の思考に触れられます。そうか、そんな風に考えればいいんだ、など何気ない日常生活に新鮮な気付きを与えてくれる一冊です。軽快なテンポで読みやすく、あっという間に楽しく読めてしまいます。年を取るのも悪くない、むしろ素敵なことだと思わせてくれますよ。

 

『動揺』
(上田秀人・著/光文社)

 久しぶりにページをめくる手の止まらない、面白い時代小説を読みました。特に襲ってきた忍を挑発する玄馬や、吉宗のとがめを恐れて小細工を仕掛ける目付の姿は、まるで映画のように鮮やかに目に浮かびます。それにしても、「デキる男」は今も昔も仕事が集中するのか、上司であり義理の父である吉宗にまるで「社畜」のようにこき使われ……もとい重用されている聡四郎にちょっぴり同情してしまうのは私だけでしょうか。

 

『タイム屋文庫』
(朝倉かすみ・著/潮出版社)

 祖母が亡くなったことを機に、何かに気付き、上司との不倫関係を清算し会社を辞め、祖母宅で貸本屋を始める柊子。何か特別びっくりするようなことが起きるでもないのですが、素朴で心温まる小説です。時間旅行に関する本だけが置いてある貸本屋「タイム屋文庫」。物語の舞台である小樽の街にはなんだか似合いそうだし、本当にあったら一度行ってみたいです。

 

『日本100名城に行こう 公式スタンプ帳つき』
(公益財団法人 日本城郭協会・監修./学研プラス)

 この本は「日本100名城」を巡るスタンプラリーの「公式スタンプ帳」でもあります。北は北海道・根室市、南は沖縄県・那覇市まで、100個のスタンプを集めなければならないというスタンプラリーの規模は、移動距離の面でも収集するスタンプの数でも、日本有数のものであるに違いありません。この本の内容も興味深いのですが、どれほどの読者がこのスタンプラリーをコンプリートしていくのか、その道のりも興味深いものがあります。

 

『むらの困りごと解決隊』
(農文協・編/農文協)

 『さくらクエスト』というアニメがありました。若い女性が協力して、町おこしに奮闘する話です。彼女たちは、人口減少や空き家、路線バスの廃止、祭りの継承といった問題に取り組んでいました。この本はリアルの世界でそうした問題に立ち向かっている人たちの現場レポートです。子供のいなかった集落に4人の児童が増えた話など、近所の人たちはどんなにうれしかったことでしょう。地域社会とのかかわり方を考えさせられる本です。

 

『ネット断ち』
(齋藤孝・著/青春出版社)

 SNSなどインターネットを通じたコミュニケーションは、同質性の高い人間とばかり密になり、意見や立場の違う者同士との交流がなされないといわれます。こうした傾向が行き過ぎた結果、他人の目ばかりを気にして、毎日疲れ、イライラしている人が増えました。思い当たる人は、1時間でいいからネットを断ち、何かに没頭してみましょう。マンガを読むことでもいいのです。あるいは、まず、この本を読んでみてください。

 ミステリーから学習まんが、スタンプラリー、エッセーと…
 幅広いジャンルの書籍をご紹介させていただきました。
 来月も皆さんの気になる一冊が見つかるよう、たくさんご紹介させていただきますね !

※情報は2019.2.8時点のものです

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